美術について勉強して理解を深めたいけど、独学だとなかなかモチベーションがわかない…という方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのは、美術検定です。
美術に関する検定ですが、あまり知られていないので今回は美術検定について解説します。
美術検定とは?
その名の通り「美術について」の検定で、美術作品の歴史や作家について理解し、感動や楽しみ方を他者に伝えられる人になるよう目指します。
以前は「アートディレクター検定」と呼ばれていましたが、2007年から美術検定に名称が変更されました。
美術を通して豊かな人生を送り、社会に向けて美術の素晴らしさを還元していく人が望ましいです。
問題の範囲
検定試験の際は、自身が絵を描くことはなく、以下の範囲が出題されます。
- 作家、時代、様式、運動など美術作品に関する知識
- 美術作品に関する情報から総合的に判断する能力
美術検定は1級〜4級まであり、受ける階級によって問題の範囲が違います。
3級と4級は主に西洋・日本美術の基礎知識や作品の歴史的な流れが出題され、あくまで美術を楽しみ、歴史を知ることが大事です。
1級と2級になると、より実践的な問題になります。
美術鑑賞の場の現状や役割、美術をめぐる動向について自分なりの解釈が可能かどうかを判断されるのです。
1級の場合は、作品に対して深い理解に導いていけるように具体的なナビゲートをどうするのか考えることも必要になります。
美術検定に向いている人
美術検定は、単純に美術が好きなだけではなく、以下の感覚を持っている人が向いています。
- 美術の知識を進学、就職に活かしたい
- 教養の1つとして美術の知識を持ちたい
- 好きなアーティスト以外にも広い視野を持って美術に触れたい
美術が好きというのはもちろんのこと、自身の教養にもなりますし、実際にアート系の仕事に就きたい人にとっても魅力的な検定です。
美術検定の難易度
美術検定は、基本的にマーク式の選択問題で行われ、3級と4級は4択、2級は4択の他に多肢選択式の実践問題が出題されます。
例外的に1級だけは記述式の出題が実施され、時間がかかる試験です。
等級が上がるにつれて問題数や解答時間に違いが出てきますが、難易度はその年によってばらつきがあります。
合格率と合格ライン
美術検定の合格率は、階級によって異なりますが2018年に実施された合格率は以下です。
4級 | 96.5% |
3級 | 78.0% |
2級 | 41.9% |
1級 | 15.1% |
階級によってかなり変動しますが、2級からグッと合格率が下がることがわかります。
1級は記述式も含まれるため、より難しいです。
美術検定の合格ラインは、厳密に決まっているわけではなく、受験者全体の得点率によって変わります。
3級と4級は大体60%程度の得点で合格ラインだといえ、2級は実践問題も含まれているため、それぞれで60%程度正解すると合格ラインだといえるのです。
自己採点で70%程度は正解できていれば、安全圏でしょう。
1級の場合は記述式があるため、記述式問題を一定基準満たさなくてはいけません。
一定基準というのは年度によって異なり、2016年は70%でしたが2018年は80%だったので基準が年々上昇していることがわかります。
美術検定の試験日程について
美術検定は4級の場合通年実施され、1級か3級までは年1回、11月頃に行われます。
以前は会場に集まって検定試験を受けていましたが、現在はCBT方式のオンライン試験が基本です。
2022年の試験日程は、2022年8月2日(火)の正午〜2022年11月4日(金)18時まででした。
4級は通年受験が可能なので、時期によっては受験料10%オフキャンペーンなどが行われる可能性もあります。
受験資格は、2級から4級は誰でも受験可能ですが、1級は2級に合格している人だけ受験ができます。
受験料は、以下の通りです。
4級 | 3,970円 |
3級 | 6,110円 |
2級 | 7,950円 |
1級 | 9,990円 |
支払い方法は、PayPalもしくは銀行振込となるため自分が利用しやすい方を選んでください。
受験の期限は4級の場合は受験料支払い後から30日間のみで、1級から3級までは2022年11月7日までとなっています。
試験結果は、4級の場合は試験終了後即時に判定されますが、そのほかの階級は後日公開になるので確認方法を以下で把握しておきましょう。
https://www.bijutsukentei.com/check
合格を目指す勉強方法
美術検定の勉強方法は、基本的に独学です。
階級別に公式テキストと問題集が美術出版社から販売されているので、しっかりと学習しましょう。
1級のみ、過去の問題が4年分公開されているので、以下で確認してください。
https://www.bijutsukentei.com/past-test1
4級用公式テキスト
この絵、誰の絵?100の名作で西洋・日本美術入門
1級〜3級用公式テキスト
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト
続 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2級公式テキスト
新・アートの裏側を知るキーワード
美術検定問題集
知る、わかる、みえる 美術検定2級問題
知る、わかる、みえる 美術検定3級問題[基本編 basic]
知る、わかる、みえる 美術検定4級問題[入門編 introduction]
美術検定に合格すると得られる特典
美術検定に合格した方は、合格認定書を提示すると特定の美術館や施設で特典を受けることができます。
特典は、入館料の割引や記念品が基本です。
利用可能な施設は、公式サイトで確認できます。
https://www.bijutsukentei.com/supporter
まとめ
今回は美術検定についてご紹介しました。
アートが好きで理解を深めたい、学業や仕事に活かしたいと考えている人にとっては取得しておきたい資格です。
公式テキストでしっかりと勉強すれば、合格も夢ではないので受験の時期や期限を意識しながら勉強しましょう。
合格後の特典を利用し、さらに知識を増やしてください。